銀行やクレジットカード会社、ローン会社などの金融機関からお金を借りて返済していても、何らかの問題によって返済ができなくなる時があります。返済が滞ってしまうと、遅延損害金が付いたり、もっと進めば差し押さえをされる場合があります。

ただ、金融機関によっては数年間に渡って延滞していると、請求をしなくなる場合があります。何年にも渡って返済の請求がされなければ、時効援用を主張できる場合があります。

時効援用の事例を紹介しましょう。

時効援用の提案をせずに自己破産を勧める弁護士

Aさんの父が亡くなり父親の財産を相続しました。Aさんは父親の財産は自宅だけだと思っていましたが、実は巨額の借金があることを知りました。借金は5億円です。

普通は親に返済できないような借金があれば、相続を放棄する手続きを取ります。しかしAさんは自宅を手放すことが嫌でしたので、遺産を相続しました。自宅には抵当権が付いていましたので、自宅を建てた際の金融機関には返済を続けていました。

自宅の借金のめどがついたAさんは、今後のこと、特に5億円の借金に関して弁護士に相談しました。弁護士は自己破産しか方法がないと返答します。

Aさんはやむをえずに弁護士に着手金を支払いました。しかしAさんは弁護士の対応や説明に違和感を感じ、着手金を支払った弁護士に対して疑いを持ちました。

そこでAさんはネットで色んな情報を検索して調べました。そしてAさんは弁護士とは異なるお金の問題を解決してくれる機関で相談しました。

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時効援用を待って5億円の借金がゼロになる

Aさんは現在の自分の状況を説明し、機関からの回答を待ちました。すると5億円の借金の請求が9年4ヶ月前の裁判を最後に途絶えていることがわかりました。9年4ヶ月前に、時効を止めるため裁判で判決、請求があってから、一切の連絡や請求がありません。

ですからAさんも借金の存在は知っていましたが、借金の時効に気が付きませんでした。

そこで機関はAさんに対して、時効の成立までが数ヶ月でしたので、時効援用まで待つことを提案しました。9年以上に渡って5億円の請求がないので、そのまま放置していても請求が来ないのは明白でした。

Aさんは5億円の借金が時効になるのを待ちました。裁判所からの判決があってから10年が経過しても、結局5億円の請求はありませんでした。時効は無事に成立しました。

金融機関によっては時効を無視したり、債権回収の行動を起こさない

5億円という金額は巨額です。商売によって借りた金額の可能性が高いですが、普通であれば徹底的に請求します。しかし、金融機関は他にも沢山の仕事を抱えていますし、回収の見込みがない相手に対しては債権回収を行わない場合があります。

差し押さえをして資金を回収する手もありますが、債務者の資産が無ければ差し押さえをする弁護士費用のほうが高くなります。

こういった場合、破綻懸念先として銀行内で登録されます。回収が難しい相手には、それほど力を割かないのが企業です。Aさんの父の場合は、回収の見込みがなかったのでしょう。

ですから時効を止める裁判はしましたが、結局回収の実行は起こさずに放置していたと思われます。カードローンの場合はそれほど大きな借金ではないですから、請求は何年経過しても来る可能性が高いです。

クレジットカードの場合も債権額は小さいですが、3ヶ月異常延滞すると滞納者に対して裁判を起こします。裁判所から支払催促状が届き、滞納分の一括請求を命ぜられます。

期限までに全額が支払えない場合は、分割払いの交渉をしてクレジットカード会社の出方を見ます。大体分割払いに応じてくれますので、素直に誤って分割払いで地味に返済していくのが賢いです。

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債権者が債権放棄をする場合がある

  • リスケ…最終的には借金を支払うことになりますが、今すぐに一括で支払わなくてもよくなります。
  • 個人の民事再生…自宅以外の債務が圧縮されて返済額が減る可能性があり、自宅は残ります。
  • 自己破産と時効消滅…法律の力によって借金を払わなくてもよくすることが出来ます。
  • 債権放棄…債権者に対して放棄をしてもらうことで、残った借金を支払わなくてもよくなります。

債務者は債権者に対して「借金を放棄してください」と言っても、簡単にできるはずがありません。ではどのようにすれば、債権放棄が実現できるのでしょうか?

これを考えるには、ひとまず借金の仕組みについて考えます。

債権放棄を実現するための借金の知識

借金とはお金を借りている私達からすれば「借金・債務」ですが、お金を貸している側からすれば、「貸金・債権」です。この債という漢字は負い目という意味で、他人からお金を借りているという負い目です。

債務とは、お金を返済する務めがあることを意味します。逆に債権とは、そのお金の返済を請求する権利であることがわかります。

こういった務めや権利という言葉は、商売の取引に似ています。私達がネットでショッピングをすると、お金を払うという務めを負い、商品を受け取る権利を得ることが出来ます。お金の貸し借りも、基本的には商売の取引です。

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金融機関はお金を貸して金利を得るためにはビジネスライクに活動する

銀行を始めとする金融機関にとって、お金を集めること、お金を貸すことはビジネスです。お金を借りる側も商売の資金源として借りています。

これは例えば製造業が、原材料を仕入れして商品に加工することと同じです。原材料を仕入れるための資金を金融機関から借りて、商品を売ることで得た利益から、借りたお金と金利を金融機関に返済しています。

ですから金融機関はお金を貸す・融資について、とてもドライでビジネスとして考えています。不景気になると金融機関の貸し剥がしや貸し渋りが批判されます。

景気のいいときだけ気前よく資金を貸して、刑期が悪くなったり業績が悪くなれば一気に追い込むことはいつも批判の的です。こういった金融機関の行動は非道徳的だと言われますが、ビジネスですからやむを得ません。

金融機関は回収できる相手に資金を貸し付けて、金利という利益を得ています。金利を彫らえない相手にはお金を貸せないのは当たり前のことです。

金融機関がビジネスライクであることは、お金を借りる時には不利ですが、返済できなくなったときには私達に有利に働くことがあります。お金を貸している金融機関は、債務者である私達に対して損得勘定で考えています。

ですから、現実的に、物理的にお金を返すことが出来ない相手に対して、多大な労力とコストをかけて回収しようとはしません。せっかくお金を回収したとしても、そのためにかかるコストが大きいと、ビジネスとしては赤字になります。

借金の回収は取りやすいところから取ると批判されます。しかし、借金の回収は商売ですから、利益が出やすい相手から(借金を回収しやすい相手)回収するのが当たり前です。

回収するのにコストがかかるのであれば、放置しておくほうが赤字にならずに済む場合があるのです。放っておくほうがビジネスになると考えることが出来ます。