中小企業の多くは借金を抱えていますが、その借金が多すぎるために中小企業の利益を圧迫しています。利益を圧迫した巨額の借金を引き継いで会社を運営したい人はいません。

親が中小企業を経営していても、借金だらけの会社を継ぎたい子供はいません。厳しい時代の中で中小企業を運営するのは大変なことです。そこで生まれるのは後継者問題です。

この中小企業が抱える後継者問題はいつの時代も重く、解決が中々できません。そんな中小企業が抱える借金による後継者問題の解決方法を紹介しましょう。

中小企業の利益部門を別会社に移して後継者問題を解決

中小企業の利益を圧迫している借金を返済するには、利益を出す以外に方法がないように考えがちです。利益が出ない会社を引き継ぎたい人はいませんので、廃業するか、継承したくなるような黒字の会社に再生することが大事です。

そこで後継者問題や会社の存続に悩む経営者の知識として、別会社を作る方法を検討してください。別会社を作る意味は会社分割とは異なります。

あくまでも別の会社です。

中小企業の後継者と言えば長男です。長男に会社を引き継がせたいと思ったら、まずは長男に会社を設立させて会社経営の勉強をしてもらいます。

利益の上がらない借金まみれの会社で仕事をしても、資金繰りのことばかりに頭がいってしまい、肝心の顧客に対して利益を提供し、対価を貰うことを疎かにしてしまいます。借金だらけの中小起業では、せっかく長男が力を持っていても、肝心な方向に向きません。

新たな借金がない中小企業で活路を見出す方が賢明だったりします。

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会社分割によって後継者問題を解決する

別会社を子供に運営させて活路を見出す方法を選択している経営者はいますが、実行できずにズルズルと年数ばかりが経過している経営者もいます。

実行できない理由は「長年経営してきた会社の社名を残したい」「経営権を持ち続けたい」などがあります。借金だらけの中小企業の社長に限って決断力がなかったり、今の地位を維持したいがために利益にならない判断をします。

こういった場合は別会社を作るのではなく、会社分割にするという方法があります。簡単に説明すると、借金に苦しんでいたり、後継者問題を抱える中小企業の中から、採算部門だけを取り出して、会社を分割させる方法です。

会社を分割する際、不採算部門と借金を元の会社に残していきます。この会社分割方法によって、新しい中小企業は借金の少ない健全な黒字会社として出発ができます。

しかし、この会社分割をするには色んな問題を解決しなければなりません。

借金まみれの中小企業を会社分割をする際の問題の数々

不採算部門を元の会社に、採算部門を新しい会社に移して会社分割するには、金融機関等の債権者の同意が必要です。この金融機関等の債権者から同意を得るのは並大抵ではありません。

会社分割してしまった後には、借金と不採算部門だけが残された元の会社が残ります。残念ながら再生の道は残されていません。選択する道は廃業か倒産・破産です。債権者である金融機関からすれば、借金が踏み倒されることになります。

借金まみれの中小企業は一つの金融機関からだけの借り入れではありません。複数の金融機関から借金をしていますので、複数の債権者に対して会社分割をする際に同意を得なければ会社分割ができません。

金融機関以外の債権者を無視して会社分割は危険

借金まみれの中小企業の債権者の中には、金融機関以外の債権者もいます。例えば家主や地主、売掛債権を持つ企業や個人、個人的に資金を貸している場合もあるでしょう。

彼らを一般債権者と呼びますが、会社分割では一般債権者を交えて話し合うことはあまりありません。一般債権者抜きで行いますので、会社分割を金融機関の合意を得て行っても、一般債権者に訴えられて取り消しになることがあります。

会社分割という方法の他に、別会社で現在の会社と関係のない人に、その会社の技術ノウハウを残すといった選択肢もあります。この場合は、現経営陣が、その会社に属することはできません。

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金融機関が借金を抱える中小企業に提案する会社分割

借金と赤字を抱える中小企業を再生するのは、新しい風を送り込んで一気に改革をするか、不採算部門と赤字を元の会社に放置する会社分割があります。

一般的には第二回社方式と呼ばれる再生の手法で、そもそもは債権者である金融機関から、債務者(企業)に提案されることが多い方法です。

なぜ、債権・借金を踏み倒される可能性が高いのに、債権者は債務者である中小企業に対してこういった方法を提案するのか不思議ではないでしょうか。債権者である金融機関から会社分割を提案するのには2つの理由があります。

債権回収がゼロになったり連鎖倒産を防ぐための会社分割

一つは貸付先である中小企業を倒産させてしまうと、債権が回収できなくなってしまったり、倒産による周りへの影響が大きい場合があります。周りへの影響ですが、会社が倒産すれば倒産する企業に売掛債権を持つ下請けや仕入れ会社があります。

こういった企業に入金される予定のお金が支払われないと、一気に資金繰りが悪化してしまい連鎖倒産の可能性が出てくるのです。

連鎖倒産先にも金融機関は資金を貸している債権者ですから、更に損失が大きくなってしまうことがあります。

会社分割による事業再生によって一部の債権を回収

金融機関が借金を抱える中小企業に会社分割を提案するもう一つの理由は、すべての借金を元の会社に被せるという意味ではないからです。

会社分割を提案する会社は、放置すると殆どの会社が倒産します。この倒産する予定の会社に対して債権の多くを背負わせて、新しい会社には一部の債権を引き継がせます。新しい会社は借金の額が少ない上に、採算部門のみで運営しますから返済負担が小さくて済みます。

債権の全額を倒産によって失ってしまうよりも、新しい会社に一部の債権を引き継がせた方が少しでも債権を回収できるのです。

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会社分割にするか、別会社にするか

債権者との話し合いによって会社を分割する方法が会社分割です。元の会社とは関係のない会社を作るのが別会社「会社独立型」です。

会社分割は元の会社とつながりがあるのははっきりしています。金融機関等の債権者の了解を得ていますし、対外的にも事業を継承していることが他者から見てもわかります。取引先や仕入先との関係も以前と一緒です。

独立会社型の場合は、元の会社とは一切つながりがありません。

この場合は別会社を作るといっても、実際は同じ業界に競争相手が増えるのと同じことになります。父親が建築会社をしていて、子供も建築会社を経営する場合が独立会社型です。

今の経営者は時代の流れに沿った経営ができない

関西で不動産業を営んでいる会社があります。この会社は父親が経営していますが、時代の流れに付いていくことができず、会社の経営状態は悪化してしまい、借金が3億まで膨らんでしまいました。

借金をたくさん抱え、後継者問題を抱える典型的な中小企業です。

自社の不動産を売却しても借金の返済が出来ない可能性が高く、後継者問題はもちろん、会社の存続さえも危ういと思っていました。そこでコンサルタントに相談したところ、長男に別会社を作って経営してもらって、経営を任せる方法を提案されました。

父親が不動産業を営んでいた頃は、インターネットが無かったのでチラシや電話、ネットワークによる集客に頼っていました。長男はインターネットを使って集客の経費を下げることに成功し、更に集客数も父親の会社とは雲泥の差でした。

少ない従業員数で多くの利益を出せる会社を長男は作ったのです。

不動産に関するいろんな知識は父親から伝授してもらいましたが、借金と赤字を抱える中小企業を引き継ぐのではなく、別の形で父親のノウハウを引き継ぐことが出来ました。

父親の会社は経営が続いていますが、ネットによる集客を息子から学んで息を吹き返しました。

このように会社分割が正解なのか、別会社を作るのが正解なのかは事情によって異なります。ノウハウだけを引き継いで別会社を作ることも、新しい一歩としてはありです。