個人である私達には信用情報によって管理されています。信用情報によって金融機関やカードローン会社は私たちに資金を融資します。多重債務などで苦しんでいる方や債務整理された方は、自分の信用情報をしっかり入手することをお勧めします。

信用情報は一旦崩れると修復に時間がかかりますが、私のように復活することもできます。信用は取り戻すことができます。個人の信用情報があるように、会社にも信用情報があります。

会社の信用情報に関して解説します。

会社の信用情報を調査会社で閲覧すると…

会社・法人の業績の情報は、民間が運営している調査会社に登録されています。調査会社は数万円のお金を支払えば、会社の調査や資料の提供などをすることで利益を得る企業です。

この法人の信用情報ですが、どれぐらい信用できるかが大切です。色んな考え方がありますが、法人の信用情報は個人の信用調査ほどあてにならないと思えます。この後に紹介する事例を借金を踏み倒した企業は、優良企業と評されていました。

逆のパターンも有り、相当な優良企業で、税金もしっかりと収めているのにもかかわらず、調査会社の情報では、年間利益が700万円と掲載されています。そんなに少ないはずがないのにも関わらず、なぜか過小評価されています。

SponcerdLink

なぜ会社の業績情報はあてにならないのか?

調査会社の情報の多くは、「御社の業績はいかがですか?」と聞き込みをして、その返答をそのまま彼らが情報として提供ているだけです。ですから彼らはそれほど性格な情報を持っていない可能性があります。

こういった事情ですから、銀行は法人の信用情報を独自で調査するしか無いので、踏み倒しを防ぐのが難しくなっています。

5億円の借金を踏み倒し、1億円の元気で復帰した社長

不動産会社を経営していた社長は、バブルの頃に随分儲けていました。バブルの頃は地価の上昇が激しく、不動産業者は土地や住宅を買いさえすれば、翌日に跳ね上がりしていると言われるほどでした。

今では考えられません。不動産会社の社長ですから、不動産の転売で利益を上げていました。銀行からガンガン融資を受けて不動産を買い、次々と転売して転売益を得ていました。

不動産バブルは必ず弾けることを忘れてしまう

不動産バブルは必ず弾けるものです。日本のバブル、中国のバブル、アメリカのバブル、ヨーロッパのバブルなど次々と弾けたのをニュースやネットでご存知でしょう。永久に土地の値段や株価が上がり続けるはずがないのです。

しかしバブル真っ最中の頃は、この当たり前のことを忘れてしまい、バブルが弾けるという危険性を無視して不動産を購入します。

買った物件を右から左へ流すだけで利益を上げることが時代です、銀行が「融資しますので、不動産を買ってください」とわざわざお願いに来る時代でした。ただ、不動産会社を経営している社長ですから、地価は下がることを知っていました。

しかし、地価の下落が自分の予想よりも遥かに大きかったのです。

バブルが弾けてしまった時に、社長が金融機関から融資を受けていた金が湯は約9億円でした。会社には2億弱の現金がありましたが、資金の多くは不動産の購入に使われていました。

借金の9億円を使って沢山の不動産を買いまくりましたが、資産価値はどんどん下がってしまい半分になってしまいました。1億円で買った不動産を1億2,000万円で売って利益を得る予定でしたが、5,000万円でも売れにくくなりました。

不動産のプロですから、この局面を打開するために頑張りました。しかし市場の流れは早いのです。不動産の価格が上昇しているときは、いくらでも買い手がいました。しかし下落している局面では、「もっと下がるはず」と買い手は思い、なかなか買わないのです。

すべての不動産を売却しても、借金の9億円を半分も返すことが出来ないと自覚していました。

SponcerdLink

事業を復活させることを睨んでキャッシュを別の銀行口座に移動

この状況は社長に融資している銀行も気づいています。銀行が社長に対して何らかの手を下す前に、復活するための資金を確保することが大切です。社長は手元に1億円ほど残して、復活をしたいと考えました。

社長は運転資金の2億円の内、1億円を取引先の金融機関の口座から引き出し、誰にも知られていない取引のない信用金庫に口座を作って資金を移動しました。融資を受けている銀行の口座に資金を置いておくと、借金の返済に全て取られてしまいます。

そうなると社長が考える再スタートができなくなるのです。

2億円の残りの1億円も別の銀行口座に移動しました。未払金の支払いや物件が売却できるまでの運転資金にあてました。不動産の価格が下がっているときでしたから、売却できるまで1年はかかると思っていました。

不動産物件に対して金融機関は融資しています。例えば1億円の物件に対して1億円の融資をすると、1億円以下で売却されるとマイナスになります。5,000万円で売却してしまうと、残りの債務5,000万円が無担保状態になり、回収がほぼ不可能になります。

金融機関が融資した額より下げて売却するには、債権者である金融機関の許可が必要です。この許可を得ることが出来るまで1年はかかると思ったのです。

SponcerdLink

任意売却を銀行に承諾させるために返済をストップする

社長はこういった事情を踏まえて、担保不動産の売却を銀行に提案しました。しかし、銀行は売却を認めませんでしたので、社長は支払っている金利の返済を止めました。金融機関は社長の強攻策に対して、必死に詰め寄ります。

社長は再び、金融機関に対して任意売却を提案しました。この駆け引きができる人と、出来ない人では大きな差が生まれるのは間違いありません。

任意売却とは不動産業界の用語で、金融機関に債権をある程度放棄してもらうことで、担保不動産を売却することです。バブル崩壊後は金融機関も不動産の下落を知っていますから、社長の提案を受け入れざるを得ませんでした。

社長はじっくりと時間をかけて任意売却によってすべての物件を売却し、債権者の金融機関には売却した代金の4億円を支払いました。残債の5億円は不良債権と処理されました。

事業を再建するためには金融機関に対して計画的に債権放棄させる

金融機関に対して5億円の不良債権を掴ませたわけですから、当面は社長に対して金融機関が融資してくれることはありません。

しかし社長は1億円を口座に持っています。社長はこの1億円をもとに新たに事業を立て直しました。規模は小さくなりましたが、地道に不動産業を営んでいます。

沢山の物件で多重債務に陥って借金を踏み倒しましたが、5億円の財産を返済することは到底不可能でした。社長は残債の5億円の支払いはしていませんが、法的には債務が残っています。自己破産をすれば合法的に借金はなくなりますが、自己破産していません。

会社を立て直す家庭では社員のリストラを行い、離婚も経験して一人になってしまいました。非常に厳しい道程であり、結果も残念な面が多分にあります。

しかし社長は不動産業という生きがいを残せたことに満足しています。