中小企業の社長をしていれば、会社の借金の連帯保証人は社長がなります。会社の経営が危うくなってしまい、倒産となれば会社が抱える債務は連帯保証人の社長がかぶることになります。

会社が倒産すれば、社長は身ぐるみ剥がされた状態になり、何もかも失います。しかし、ある社長は借金を踏み倒した上、自宅もベンツも手放さずに涼しい顔をしています。

合法的に借金を踏み倒した社長を紹介しましょう。

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4億円の借金を踏み倒すための綿密な計画

Aさんは大手メーカーの下請として住宅設備を生産する会社を経営していました。しかし不景気によって経営危機に陥りました。取引先の大手メーカーが、日本企業ではなく人件費が安い中国企業に発注し始めたのです。

メーカーからの発注を受けるために、社長は設備投資を次々と行っていました。借入金は4億円にまで膨れ上がりました。中国企業の台頭を読めていれば、過剰な設備投資を抑えることが出来ましたが、ときすでに遅しです。

中小企業とは言え、社長は大きな家に住んで、ベンツを乗り回していました。しかし、売上がどんどん下がってしまいました。銀行への借入金の返済をするために、取引先への支払いや従業員の給与を支払うために、沢山の消費者金融会社から借金をしました。

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会社を倒産させてもいいが、家族が住む自宅は手放したくない

彼の望みはとてもシンプルでした。「大手の得意先に見放されてしまい、事業の先が全く見えなくなりました。廃業するのはやむを得ませんが、家族のために自宅は何とか残したいです」と考えていました。

会社の借金とは言え、中小企業では多くの場合、社長個人が連帯保証人となっています。彼が持つ唯一の財産である自宅も風前の灯火でした。

社長が抱える借金の状況を確認すると、自宅には借金の形である抵当権が設定されていませんでした。さらに会社で借りている借り入れは無担保ローンでした。

無担保の債権ですから会社を破産させて整理すれば、支払い義務のある会社そのものがなくなってしまいますので、債権者は催促ができなくなります。

自宅を売却して賃貸契約をして住み続ける

まずは社長が持っている自宅を売却することが先決です。売却せずに住み続けると、債権者が自宅を差し押さえて競売にかけてしまいます。

そこで自宅を不動産会社に売却しました。それから賃貸借契約を交わすことで、社長は住み続けることができます。そして会社を倒産させて整理した後に、奥様の名義でローンを組んで自宅を買い戻しました。

社長と家族が今の自宅に住み続けられる処理をした後に、社長の会社が保有している土地や工場を売却しました。さらに、ノンバクなどの保証人がついている借金を整理して、税金や給与の支払いにあてました。

社長は、いろいろな借金を返済するために自転車操業を繰り返していましたので、小口の借金だけでも3,000万円以上あり、税金、仕入先への支払いも沢山滞納していました。

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無担保ローンの銀行は後回しにして借金返済の優先順位を考える

大口の債権者である銀行に対しては、無担保ローンでしたから、返済の優先順位を最後にしました。会社の財産がなくなってしまったところで、Bさんは会社を整理して廃業し、事業ローンの返済が不可能になってしまったことを銀行に伝えました。

銀行が必死になって調べに来ましたが、会社の財産も社長の財産もすでに処理されてなくなってしまったあとです。会社が廃業したことで銀行は諦めました。

それから請求は来なくなり、4億円の借金は銀行が不良債権として処理しました。

それでもまだ消費者金融からの借金が300万円程度残っていましたので、自己破産を検討しました。消費者金融系の催促は結構厳しいので、自己破産をして法的に支払い義務から逃れたほうがいいと考えました。

しかし、社長は自己破産に対して抵抗がありました。そのまま返済せずに1年間様子を見てましたが、しばらくすると消費者金融も含めて借金の催促は止まりました。

新しいビジネスも順調で、以前から持っていたベンツもそのまま乗っています。

無担保ローンは上手く処理すれば逃げることが出来る

社長の場合は、借金の殆どが事業の無担保ローンでしたから、自宅を手放さずにすみました。これは事業者ローンという経営者特権の借金ですが、銀行が会社に対して特別甘いというわけではありません。

例えば社長の場合は、大手メーカーがバックに付いていました。銀行が無担保で貸すほどの優良企業ですから、今回の倒産は銀行が予測できませんでした。

社長には他の選択肢がありませんでした。結果として、リスクを背負って融資した銀行が判断を謝った結果になりました。銀行は4億円を失い、社長は会社と従業員を失いました。

しかし家族と自宅を守り抜き、現在は新しいビジネスを順調に軌道に乗せています。