住宅を購入する際に利用するのは住宅ローンです。銀行の住宅ローンや住宅金融支援機構から数千万円単位でお金を借り、数十年間に渡って返済します。

定年間近や定年後に退職金などを使って無事に完済する人は今まで沢山いましたが、今後は住宅の購入者数、住宅ローンの完済率は下がるのが目に見えています。理由は年功序列制度の廃止、終身雇用制度の崩壊、少子高齢化です。

以前のように30年以上同じ会社に勤めることができなくなりました。40代に差し掛かるとリストラがサラリーマン全員にちらつきます。40代以降でリストラされてしまうと、正社員で再雇用される可能性が極めて低く、派遣社員やアルバイトと言った非正規雇用になります。

非正規雇用になると給与は半分以下に減りますから、住宅ローンが払えなくなってしまいます。非正規雇用は労働人口の40%を占めていて、今後増える可能性があります。

せっかく購入した住宅ですが、もし住宅ローンが払えなくなったらどうなるのかを解説します。

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住宅ローンが返済できなくなってしまい滞納が続くとどうなるのか?

住宅ローンの返済が出来なくなってしまう状態が続くと、どうなるのかを解説します。

初回の住宅ローン滞納

住宅ローンを借りている金融機関から返済が滞っている旨の連絡がきて請求されます。

2回めの住宅ローンの滞納

再度、金融機関から請求が来ますが、無視すると催促状・赤紙が届きます。電話連絡も入ります。この時点で滞納し続けざるを得ない状態なら、素直に金融機関に相談して、返済額を減らしてもらうなどのお願いをしましょう。

3回目の住宅ローンの滞納

金融機関からの催促を無視し続けると、債権者は期日を指定して住宅ローンの一括弁済(一括返済)を求めてきます。

金融機関から住宅ローンの一括弁済(返済)の催告通知

債権者である金融機関から一括弁済の催告通知が来ると、住宅を購入するために借りたお金を分割して支払う権利が無くなります。(期限の利益の喪失)

住宅ローンの返済を放置し続けると、ローンでの返済さえできなくなります。

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金融機関は住宅ローンの債権を保証会社へ

金融機関が債務者に対して何度も請求をしても返済がされない場合、住宅ローンを申し込む際に締結した保証会社に代位弁済を依頼します。債務者の代わりに保証会社が住宅ローンを一括で返済します。

この時点で住宅ローンを借りた金融機関は債権者ではなくなり、保証会社が債権者になります。債権者である保証会社が債務者に請求をします。

住宅ローンをさらに滞納

保証会社は債務者に対して何度も請求をしますが、連絡が取れない、返済がない場合があります。保証会社は自社での債権回収から、債権を回収する専門の会社に依頼します。

債権者は保証会社のままですが、住宅ローンの返済窓口は債権回収会社に代わります。

住宅支援機構が委託している債権回収会社

  • エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社
  • オリックス債権回収株式会社
  • 株式会社住宅債権管理回収機構
  • 日立キャピタル債権回収株式会社

住宅ローンを更に滞納し続ける

債権回収会社が裁判所に競売の申し立てをします。

住宅・物件の競売開始

裁判所から競売開始決定通知所が届きます。

配当要求

裁判所で競売開始の情報が公開されますので、この情報を元に不動産業者、弁護士、司法書士からダイレクトメール・勧誘が届きます。いつの時代も書倍にたくましい人がいます。

物件の現状調査

裁判所から執行官や係官が物件の調査にやってきます。不動産物件がいくらで売却できるかを調査して基準価格を決定します。住宅の所有者である債務者と連絡が取れない場合は、鍵をこじ開けて室内を調査する場合があります。

物件の入札通知

物件の詳細な概要や基準価格や最低競売価格が裁判所で公開されます。誰もが債務者の物件の住所、間取り、構造、価格、写真などを閲覧できるようになります。競売物件への入札開始

競売にかかってる物件を欲しい人が入札をします。入札期間は通常1週間ほどです。(オークション形式です)

開札日落札の決定

入札者の中で最も高額の入札をした人に落札決定の通知が発送されます。

売却許可決定通知

新しい買い主が物件代金を納付して、所有権の移転登記を行います。

物件売却引き渡し

多くの場合、物件の所有者であった債務者は物件から引っ越していますが、中には物件の中に居座り続ける場合があります。この場合、買い主の申し入れによって、裁判所から立ち退き命令なされ強制執行が行われます。

物件の中の家財道具全てが撤去され、なお居座り続ければ、不法侵入として逮捕されます。

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競売物件の推移と競売事件が減っている理由

住宅ローンを滞納し続けても、最終的には債権者から競売にかけられてしまい、物件が売却されてしまいます。住宅ローンを組んで物件を購入した際、債権者は物件に対して抵当権を設定します。

抵当権とは住宅ローンなどでお金を借りたときに、家と土地をその借金の担保として確保しておくためのものです。

わかりやすくいえば、住宅ローンの支払いができなくなったときは、その家と土地を銀行が取り上げますよ、と契約できる権利のことです。

不動産の競売物件の推移ですが、実は減っています。サラリーマンの収入は減り続けていますが、競売物件の数は減っているという不思議な状況です。

競売物件推移

給与が上がらないのに競売物件推移が減少している理由

競売物件推移が減少している理由として考えられるのは、金融機関のスタンスや考え方が大きく変化したとも言えます。

「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」通称「モラトリアム法」によって金融機関は大きく変化しました。モラトリアム法が施行されるようになってから、リスケ(リスケジュール)や返済猶予をして延命させようとしています。

モラトリアム法が終了すれば、一気に競売件数は増えると思われていましたが、金融機関のスタンスは変わりません。債務者からすれば、杓子定規な取り立てが減ったので延命しやすくなったといえます。

但し、あまりにも長い住宅ローンの延滞は競売にかけられてしまいます。住宅ローンの返済が厳しくなったら、出来るだけ早い時点で金融機関に相談して、返済額の減少などの相談をしましょう。