日本の大企業、世界の有名企業である東芝やシャープが悲惨な状況になってしまったことで、サラリーマンたちにとって「明日は我が身かもしれない」と感じさせました。

高度成長期の日本であれば、自分の会社が倒産したり、給与が下がるなんてことは想像できませんでした。一度勤めれば、定年まで給与が安定してもらえるので、数千万円の住宅を購入して老後は悠々自適に暮らせる予定でした。

しかし、最近の日本の雇用事情は大きく変わってしまい、借金をして住宅を購入したものの、リストラに遭ったり給与が下がってしまい、住宅を任意売却をせざるを得ない人が増えています。

こういった厳しい現実に直面した男性の任意売却の一例を紹介しましょう。

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一流企業に勤めるサラリーマンでもリストラによって任意売却せざるを得ない

40代後半のAさんは一部上場企業に勤めるサラリーマンです。家族は奥さんとお子さん2人の4人家族で、二人目のお子さんが生まれたのを期に住宅を購入しました。一部上場企業に勤務していますから住宅ローンの審査は難なく通過して住宅に暮らしていましたが、数年後に住宅の返済が厳しくなります。

住宅ローンなどの借金返済に困っていることは、なかなか人に相談できるものではありません。今は知り合いに相談できないことでも、インターネットを通じて相談できるサービスを探すことができます。

1人で悩み続けずに専門家への相談することが一番の近道です。

Aさんが勤務する会社の業績が悪化していて、40代のAさんはリストラ候補に上がってしまいました。リストラされれば住宅ローンの返済は一気に滞ってしまいます。

業績が悪化すると同時にボーナスが減ってしまい、住宅ローンを毎月の給与とボーナス払いの併用で組んでいましたので貯金を切り崩しながら返済していました。

Aさんは住宅ローンを滞納はしていませんが、いずれ資金的に苦しくなり滞納する可能性があると思い、専門家へ相談しました。先があまりにも見えないので、住宅を売却してしまって安い賃貸マンションへ引っ越し、負担を減らすことを検討しています。

Aさんの住宅がある地域は、賃貸マンションの相場があまり高くないので、住宅ローンの返済が良くより低い金額でも、そこそこの賃貸マンションを借りることができます。都心から距離がありますから、賃貸マンションの価格が下がっていたのです。

賃貸マンションの価格が下がっていると、住宅の売買価格も比例して下がります。

Aさんが所有している住宅の価格の相場を調べると、住宅を売却しても住宅ローンが1,000万円以上残ってしまいます。「購入したときは結構な金額だったのに、売るときはこんなに安くしか売れないのか…」とAさんは落ち込みました。

必死に稼いだお金で買った家を売っても借金が残ってしまう現実は、サラリーマンたちにとって酷です。こういった現実を目の当たりにすると、売却を諦めてしまい不安な日々を送ることになります。

そうこうしているうちに、Aさんはリストラに遭ってしまいます。

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住宅ローンの返済を意図的に止めて任意売却の流れに乗せる

早期退職のリストラに遭ってしまうと、退職金は貰えるものの先が全く見えない状態になります。そこでAさんは専門家に再度相談しました。

Aさん、任意売却の流れに乗せるために住宅ローンの返済を意図的に止めましょう」と専門家は言います。「はぁ?」とAさんは呆れ顔で答えます。

当然の反応です。今まできちんと住宅ローンを返済してきたのに、いきなり返済を止めるように言われてビックリしないはずがありません。

住宅ローンの返済を止めることで任意売却に金融機関は応じる

住宅ローンの返済を意図的に止めるには理由があります。住宅を売却するには住宅に設定されている抵当権を外さないと、購入者は購入できません。抵当権を外すには借金を全額返済するか、借金が残ったとしても債権者(金融機関)の了承が必要です。

Aさんの場合、住宅を売却しても残債が1,000万円以上残ってしまう可能性があります。この場合、金融機関に対して1,000万円以上の借金が残ったとしても抵当権を外してくれる了承が必要です。

この了承を得るために交渉するのですが、交渉するには住宅ローンの滞納という事実が必要です。変な話なのですが、住宅ローンを滞納していない間は交渉に乗ってこない金融機関が多いので、意図的に住宅ローンを滞納することで金融機関を交渉のテーブルにつかせます。

住宅ローンを提供する金融機関は、いざという時のために保証会社に住宅ローンを保証させています。ですから保証会社に代位弁済(本人の代わりに返済してもらう)してもらいたいのが本音です。

さらに保証会社は金融機関から保証を依頼された債権(住宅ローン)を、債権回収会社に譲渡したいとも考えています。債務者(Aさん)が住宅ローンを滞納して、代位弁済や債権譲渡の状況が出来上がってから交渉に応じたいのです。

金融機関、保証会社、債権回収会社にはそれぞれ事情がありますので、意図的に住宅ローンを滞納する必要があります。

Aさんには生活費など必要なお金を取っておいてもらい、銀行の預金残高をゼロにしてもらいます。

注意点としては、住宅ローンを滞納することで信用情報には”延滞”と記載される可能性があります。(数回延滞しても信用情報に載らない場合もある)

また金融機関によっては住宅ローンを滞納しなくても、任意売却に応じる可能性もあります。ケースバイケースですので、専門家にきちんと相談してください。

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住宅ローンを滞納すると銀行・金融機関から催促がくる

任意売却をするために意図的に住宅ローンを滞納すると、金融機関は返済されていない旨をAさんに連絡して回収を試みます。Aさんはリストラされてしまったために、返済ができないので物件を売りたいこと意思を伝えます。

実際に金融機関と面談をして、リストラをされてしまった経緯や資金不足によって返済ができない旨を再度伝えます。金融機関は債権回収のために、連帯保証人の追加や新しい担保提供を依頼しますが、全て突っぱねてください。

住宅ローンを組んだ際に保証会社によって保証されていますから、金融機関は何の痛手もないのです。「世話になった金融機関に申し訳ない」という態度をしながら、金融機関の要望には全て拒否します。

その後も、意図的に住宅ローンの滞納を続けることが大切です。金融機関から文書や電話での催促がありますが、申し訳ない気持ちを全面に出して滞納し続けます。

金融機関はいずれ自社での回収を諦めて、保証会社に代位弁済をしてもらい、保証会社から全額回収します。代位弁済をしてもらったと同時に、債権者は金融機関から保証会社に代わり、保証会社がAさんに返済の連絡を続けます。

保証会社に対しても返済を滞納し続けることで、保証会社は自社で回収することを諦めて、債権回収会社に債権を売却します。

住宅ローンの債権は金融機関→保証会社→債権回収会社に移りました。

この時点での債権者は債権回収会社です。Aさんの住宅は1,600万円ほどで売却できそうですが、債権回収会社が持っている債権は3,200万円なので1,600万円で売却することを了承しません。

交渉当初は2,500万円で売却するように債権回収会社に依頼されたりしますが、言われたとおりの金額で不動産業者を通じて売却を試みます。相場は1,600万円ですから売れるはずがありません。

債権回収会社は少しずつ折れてきますので待ちます。

銀行・金融機関

最終的には相場の1,600万円で売却してもよいと連絡が来ますので、それまでめげずに待ちます。1,600万円での売却が可能になると、実際に購入希望者が出てきますから無事に売買することが可能です。

債権回収会社は3,200万円の債権を持っていますから、1,600万円で売却できた場合、全額回収しようとします。それでは引越し費用や不動産業者に支払う手数料が捻出できません。

住宅を売却する前に、不動産業者に支払う手数料や引越し費用、雑費をあらかじめ売買代金から引くことを文書で約束しておくことが大切です。

任意売却が無事に成立し、購入者は1,600万円で住宅を購入でき、債権回収会社は手数料や引越し費用を差し引いた残金を得ました。ただし、債権回収会社がAさんに持っている債権は3,200万円です。

本来であれば残債は1,600万円ですが、金融機関での延滞や保証会社での延滞、債権回収会社での延滞によって、返済能力はないと債権回収会社は腹をくくっています。

Aさんから債権回収会社に「1,600万円の残債はとても返済できない」旨を説明して交渉します。ここで債権回収会社との再交渉です。物件が無事に売却できて、債権回収会社もそれなりの利益を得ていますから、残債をゼロにするよう粘ります。

全くのゼロとなると債権回収会社の営業マンも厳しいでしょうから、ゼロではなく10~20万円の色をつけることで納得してもらいます。

ここまでくると債権回収会社もほぼ同意しますので心配無用です。自己破産すること無く、無事に物件を売却できて支払いが大幅に軽くなったAさん家族は賃貸マンションで、穏やかに暮らしています。

債権回収会社・サービサーは債権を10%ほどで買っている

債権回収会社・サービサーは保証会社や金融機関から、債権を額面の1~10%で購入しています。Aさんの例で言えば額面は3,200万円ですから、32万円~320万円で債権を購入している可能性が高いです。

そのため債権回収会社はAさんの住宅を1,600万円で売却できたことによって、それなりの利益を得ています。任意売却が成立した時点で大儲けをしていますから、残債の1,600万円を棒引きに近い形で値引きするのは当たり前です。

こういったからくりを知っていると任意売却の交渉が簡単になり、流れるようにことが進みます。